まだ続く中国経済の「消費低迷」と「財政のアクセル不足」――全人代「政府活動報告」と予算案のキーポイント

執筆者:高口康太 2026年3月21日
タグ: 中国
エリア: アジア
デフレで税収が伸び悩み、不動産市況の低迷で土地払下げによる収入もピーク時の半分以下に落ち込んだ。政府の財政収入は減少している[全人代の開幕式で政府活動報告を行う李強首相=2026年3月5日、中国・北京の人民大会堂](C)EPA=時事
全人代で示された経済成長率目標「4.5~5%」は1991年以来の低数値だが、中長期的な成長減速シナリオの範囲内だ。ただし需要不足と不動産市場低迷は続いており、きわめて弱気な予算案を見れば、今年も財政のテコ入れを期待できない。国民生活を向上させる消費主導経済への転換よりも、ハイテク・インフラなどの“イノベーションへの執着”が優先される構図は続く。

 中国の2026年経済政策が発表された。長引く不動産不況とデフレ、消費低迷にどのような対策を打つかが注目されていたが、蓋をあけると、きわめて抑制的な内容であった。長引く中国経済の不振だが、今年もダウントレンドで終わりそうだ。

 毎年3月に開催される両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議の総称)は、今年1年間の主要政策について決議する会議である。俗に日本の国会に相当すると言われている。

カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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執筆者プロフィール
高口康太(たかぐちこうた) 1976年、千葉県生まれ。ジャーナリスト、千葉大学客員教授。千葉大学人文社会科学研究科博士課程単位取得退学。中国・天津の南開大学に中国国費留学生として留学中から中国関連ニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。中国経済と企業、在日中国人経済を専門に取材、執筆活動を続けている。 著書に『ピークアウトする中国 「殺到する経済」と「合理的バブル」の限界 』(文春新書、共著)、『幸福な監視国家・中国』(NHK出版、共著)、『中国S級B級論』(さくら舎、共著)、『プロトタイプシティ 深圳と世界的イノベーション』(KADOKAWA、共編、大平正芳記念賞特別賞受賞)、『中国「コロナ封じ」の虚実 デジタル監視は14億人を統制できるか』(中公新書ラクレ)、『習近平の中国』(東京大学出版会、共著)など。
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