政権奪回を目指す国民党「馬英九」のジレンマ

執筆者:Foresight 2005年9月号
エリア: アジア

ハーバード大学で博士号取得、ハンサムで、スポーツマン。台湾で圧倒的人気を誇る馬・新主席にとって政権奪回のカギは――[台北発]台湾では、独立志向の与党・民進党の陳水扁総統が退任する二〇〇八年春の総統選で、最大野党・国民党が政権を奪回できるかどうかに関心が高まっている。国民党が、連戦氏(六八)の後任の主席に、台湾の政治家の中で人気ナンバーワンの馬英九・台北市長(五五)を選んだためだ。 七月十六日、党の前身を含めると百年以上の歴史を持つ国民党が党のトップを初めて党員直接選挙で決めた結果、馬氏が三十七万五千票あまりを獲得し、約十四万三千票の王金平・立法院長(国会議長=六四=)に圧勝した。馬氏は、中国革命の父、孫文が創立した老舗政党で、蒋介石、蒋経国、李登輝、連戦各氏を継ぐトップにのぼりつめた。予想外の大差に、早くも台湾住民は、次期総統選の国民党候補は「馬氏に決まり」と受け止めている。

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