「安全保障上の懸念」を理由に激しく反対する米議会の意向に逆らって、米石油大手ユノカルへの買収を仕掛けた中国国有石油大手、中国海洋石油(CNOOC)。同社が八月初めに買収計画を断念したとたん、市場は皮肉な祝福を与えてみせた。 もともと米石油二位シェブロンが合意していた買収案件への“殴り込み”。相手を大きく上回る百八十五億ドルを投じるというCNOOCに、投資家たちは財務悪化を懸念した。ゆえにニューヨークと香港で上場しているCNOOC株が、買収断念が明らかになった翌日に大幅高となったのは不思議でない。

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