小泉純一郎首相の退陣まで、あと九カ月。新年を迎えた永田町の関心は一段と「ポスト小泉」に向けられ、自民党総裁任期である九月以降の続投を完全否定する首相には「用はない」とばかりに、総裁選への発言が相次いでいる。「争点の最大のひとつは省庁再々編だ」。一月八日、竹中平蔵総務相は民放テレビ番組でそうぶちあげた。総務省、経済産業省、文化庁に分散しているIT(情報技術)関連の行政組織の統合構想は、一見時宜にかなっているようにも思えるが、再々編には予算も絡むことから通常国会での着手は現実的ではない。にもかかわらずの発言には、ある狙いがこめられていた。

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