百年に一度の大チャンスが葬り去られつつある。「官の無駄遣い」の根源でありながら国民の目から隠されてきた特別会計。ようやく生まれた全廃の機運も、よってたかって官僚が潰した――。「総理、特別会計は原則全廃ということで臨みたいのですが」 総選挙の歴史的大勝の余韻がまだ残る昨年十月六日、首相官邸。 太田誠一・自民党行政改革本部特別会計改革委員長は、特会問題に切り込もうという小泉首相の覚悟をひざ詰めで確かめた。小泉首相は「それはいい、その意気込みでやってよ」と身を乗り出したという。 特会改革「二〇〇五年冬の陣」は、こうして始まった。

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