ハーバード大学内でも勃発した世界的著名教授の「論文撤回」騒動

執筆者:大西睦子 2014年4月30日
タグ: アメリカ 日本
エリア: 北米 アジア
 名門・ハーバード大学も揺れている (C)AFP=時事
名門・ハーバード大学も揺れている (C)AFP=時事

 STAP細胞の論文不正騒動では、4月9日の小保方晴子氏に続き、16日には、上司であり論文の主要共著者の1人でもある理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長も会見しました。笹井氏をはじめ、ほとんどの共著者はすでに論文の撤回に同意しています。が、肝心の小保方氏自身と、主要共著者の1人であるハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授が、現在も撤回には同意していません。しかも、小保方氏は理研の「捏造、研究不正があった」との調査結果に不服申し立てをしており、この問題に決着がつくにはまだ時間がかかりそうです。

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執筆者プロフィール
大西睦子(おおにしむつこ) 内科医師、米国マサチューセッツ州ケンブリッジ在住、医学博士。1970年、愛知県生まれ。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月からボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月から2013年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度受賞。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。『「カロリーゼロ」はかえって太る!』(講談社+α新書)。『健康でいたければ「それ」は食べるな』(朝日新聞出版)などがある。
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