8月20日の早朝、その日の未明に発生した広島市の大規模土砂災害を伝えるヘリコプターからのテレビレポートを聞いて、筆者は強い既視感(デジャ・ビュ)に襲われた。
19年前の1月17日午前、阪神・淡路大震災直後の神戸市上空を飛ぶ某放送局のヘリからの映像は、軒並み無残につぶれて倒壊した住宅群を映し出していたが、音声で伝えられたコメントは、「ボヤの煙はいくつか見えますが、大規模火災は起きていません」という、被害の実態とはおよそかけ離れた、空疎なものだった。
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