タイのスラユット首相がタイ南部を訪問、イスラム系住民代表と対話するなど、対決に近い姿勢をとったタクシン前首相との違いを印象づけている。 首相は十一月二日に続いて八日にも、イスラム系武装組織がタイからの分離独立を求めて軍や警察と武力衝突していた南部を訪問。イスラム系住民代表に会って治安回復への協力を求めた。見返りに、学校で親イスラム的教育を行なっているとされ治安当局の調査対象となった教師のリストを放棄することを約束したという。さらに同首相は治安当局との衝突で逮捕された住民の起訴取り消しや逮捕状の撤回も実現するなど融和姿勢を打ち出した。背景には、タクシン政権の強圧的治安維持に対する反省があり、スラユット首相も「これまでの南部治安対策は誤りだった」と認めた。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン