ヘッジファンドの低迷で機関投資家の注目を集める買収ファンド。だが器の大きさの割に案件の数は少なく……。「今年の株式市場の最大のテーマはM&A(企業の合併・買収)」。市場では投資家の話題がM&A一色に染まっている。五月には外国企業が日本企業を株式交換によって買収できる「三角合併」が解禁に。二〇〇九年三月期から上場企業に業務の流れを文書化する「内部統制ルール」が義務づけられることに伴い、煩雑な作業と高いコストを嫌った企業によるMBO(経営陣による企業買収)も増加が予想されている。 昨年もすかいらーくの大型MBOをはじめM&A関連のニュースには事欠かなかったが、その流れがさらに加速するとの見立てだ。もっとも、制度の変更だけがこうした観測を生んでいるわけではない。その底流には、日本にも押し寄せる「ファンドの台頭」という大波がある。
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