共和党を分断する「米輸出入銀行」の業務再更新問題

執筆者:足立正彦 2015年6月8日
エリア: 北米

 共和党が上下両院ともに多数党の立場を8年ぶりに奪還した第114議会(2015年1月—2017年1月)が召集されてから、早くも5カ月余りが経過した。この間の主要法案としてはまず、イラン核合意について米議会が検証することを義務付けた「イラン核合意検証法案」が挙げられる(同法案は5 月22日にオバマ大統領の署名を受けて成立)。また、米国政府が外国政府と締結した通商協定について、修正を一切加えず賛成か反対かの一括審議を義務付ける「大統領貿易促進権限(TPA)法案」については、4月中旬に米議会に提出され、上院ではメモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)休会入り前日の5月22日に賛成62票、反対37票の賛成多数で可決された。すでに下院では歳入委員会で4月23日に賛成25票、反対13票の賛成多数で可決されており、現在、下院本会議で本格審議が行われつつある。同法案は、環太平洋経済連携協定(TPP)の通商交渉妥結の鍵となるため、その可否が注目されるところだ(2015年5月25日「上院通過『TPA法案』がいよいよ正念場」を参照)。

カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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