【ブックハンティング】暴走するアメリカの官僚制度

執筆者:浅川芳裕 2015年10月16日
エリア: 北米 ヨーロッパ
『国家を喰らう官僚たち: アメリカを乗っ取る新支配階級』ランド・ポール/著 浅川芳裕/訳 新潮社

「暇ができるとその時間を満たすだけ仕事量が増える」「金は入っただけ出る」。言わずと知れたパーキンソンの第1と第2法則である。ガモンの法則というのもある。「無用な仕事が有用な仕事を駆逐する」。公務員の数はいかにして増えるのか、公共予算にはなぜムダが多いのか説明してくれる経験則だ。

 

「農業人口5分の1」なのに「職員35倍」 

 前者のパーキンソンはイギリス植民地の数が減れば減るほど逆に植民地省の役人数が増加したデータ(1935年の372人から1954年の1661人)から、こうした法則を提唱した。ガモンの方は、同じくイギリスの国民保険制度を調査し、職員数28%増に反比例して、国保病院のベッド数は11%減ったことから法則を導いた。

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執筆者プロフィール
浅川芳裕(あさかわよしひろ) 1974年、山口県生まれ。エジプト・カイロ大学文学部セム語専科中退。英語、アラビア語通訳・翻訳、ソニー中東新興国市場専門官、『農業経営者』副編集長を経て独立。フリージャーナリスト、コンサルタント。著書にベストセラー『日本は世界5位の農業大国』(講談社+α新書)ほか。
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