すべての道は利権に通ず。元祖土建政治家・田中角栄のDNAは日本の津々浦々に深く染みつき、いまなお地域を支配する。 二月中旬、宮崎県の有力建設会社、八紘が事実上倒産した。社長の古小路汎氏は中堅建設業団体、宮崎県建設業協会の会長。地元には「地域経済の崩壊だ」と悲鳴が上がった。「道路財源死守」を叫ぶ東国原英夫宮崎県知事の全国行脚はさらに熱気を帯びた。道路族の“走狗”と揶揄されてもひるまない。本人は尻に火がついた思いなのかもしれない。 二年前、当時の小泉純一郎首相は衆院本会議で「二〇〇七年度から道路特定財源の一般財源化に着手する」と表明した。今年三月末の暫定税率期限切れをきっかけに、民主党が“ねじれ国会”の中心テーマに据えたことから、中断していた論議が再燃、反響は全国に広がった。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン