「勝海舟語録」で読み解く中国の「本質」

執筆者:樋泉克夫 2016年3月10日
エリア: アジア

 中国では2016年の政治方針を論議する双会(全国人民代表大会=全人代、中国人民政治協商会議=全国政協)が3月5日から始まった。議題の中心が経済問題――輸出不振、鉄鋼・石炭などの生産過剰、不動産の在庫過剰、理財商品を軸とする債務危機、金融不安、流動性過剰によるインフレ発生危機など――に集中することは明らかだろう。経済面での構造改革のみならず、習近平政権の政権基盤、全面的な軍制改革にみられる軍拡路線、現在の中国の行方に立ちはだかる様々な問題と中国政府の対策について、日本でも百家争鳴状態で多くの議論や観測が見られる。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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