中国政治の1年間の最大のイベントである全国人民代表大会(全人代)での共産党幹部による活動報告の中で、日中関係の文脈で着目すべきだったのは、周強・最高人民法院(最高裁判所)院長のそれだった。立法、行政、司法の三権分立が存在せず、共産党の完全コントロール下にあるのに加えて、これまで司法機関のトップの発言が日中関係に影響を与えることはほとんどなかったので、日本からの注目度は、李克強首相(序列2位)の政府活動報告などに比べれば劣っていた。しかし、海洋国家日本の国益に反して、尖閣情勢を歪曲しようとする中国政府の意図について、ここでしっかりとした分析を加える必要がある。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン