バングラ・テロ1カ月:「イスラーム国」の対外戦略を分析する

執筆者:保坂 修司 2016年8月2日
エリア: 中東 アジア

 バングラデシュの首都ダッカで7月1日、日本人7人を含む20人以上が犠牲になるという痛ましいテロ事件が起きた。犯行グループは当初より、イラクやシリアを拠点とするテロ組織「イスラーム国」(以下ISと略)とされ、実際彼らは犯行声明も出している。ISと地元過激派組織との具体的なつながりについてさらに報じられているが、バングラデシュ政府はISの関与を否定したままである。
 事件発生段階で多くの日本人はいくつかの「なぜ」を感じたにちがいない。ひとつは「なぜこの時期に」そして「なぜバングラデシュで」、もうひとつは「なぜ日本人が」である。

カテゴリ: 社会 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
保坂 修司(ほさかしゅうじ) ほさか・しゅうじ 日本エネルギー経済研究所・中東研究センター副センター長。専門分野はペルシャ湾岸地域近現代史、中東メディア論。1984年、慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。89年、在クウェート日本大使館専門調査員。91年、 在サウジアラビア日本大使館専門調査員。日本学術振興会カイロ研究連絡センター長、近畿大学国際人文科学研究所教授などをへて、2012年より現職。著書に『サイバー・イスラーム』(山川出版社)、『新版オサマ・ビンラディンの生涯と聖戦』(朝日新聞出版社)、『サウジアラビア――変りゆく石油大国――』(岩波新書)など。
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