第二次土地バブルの「底抜け」を覚悟すべし

執筆者:大神田貴文 2008年6月号
タグ: 日銀 日本

バブルを演出してきた不動産ファンドが変調をきたしている。「限られた物件」ばかりが高騰している背後では――。「そう言えば最近は来ないわねえ」 東京駅前の喫茶店で、高齢の女性店主が首を傾げた。築四十年は経つ建物の一階が店舗で、二階にはすっかり耳の遠くなった夫と飼い猫がくつろぐ。三年前は相次ぐ立ち退き要請に不愉快な思いをさせられたものだが、今では「招かれざる客」の来訪はなくなり、落ち着いた日々が戻ってきた。 大都市の一等地から地方の大都市に波及した不動産価格の高騰はどうやら天井を打った。平成初頭の「第一次不動産バブル」に続き、世紀が変わってからうまれた「第二次バブル」のメッキがいま剥げかけている。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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