
2016年5月、千葉県柏市でのコンサートでバンドゥーラを奏でるカテリーナさん(筆者提供、以下同)
物悲しい弦の響きと透明感のある美しい歌声が、優しく空間を包み込む――。
ウクライナ出身のカテリーナ・グジーさん(31)は、日本で2人しかいない「バンドゥーラ」奏者だ。バンドゥーラとは、60本前後の弦を爪で弾いて演奏するウクライナの民族楽器。この楽器には「ウクライナのすべてが詰まっている」という彼女は、日本に移住し、活動を始めてすでに10年以上経つ。
旧ソ連時代のチェルノブイリ近くで生まれた彼女は、1986年、生後1カ月で原発事故に遭遇し、一家はキエフに避難。幼少時からピアノを習い、後にバンドゥーラを始め、音楽学校で演奏家を目指す。

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