世界的な原油価格高騰を引き金に、欧州連合(EU)で付加価値税(VAT)の税率軽減をめぐる論争が活発になっている。フランスでは漁民やタクシー運転手らのストライキが起きており、サルコジ大統領はガソリンなどの税率の一時的なカットで市民の負担を減らす案に言及した。しかしドイツなどのEU主要国は単純な減税には反対で、電気や石油を効率的に使うための税率軽減を検討している。 VAT引き下げはサルコジ大統領が五月下旬に提案した。支持率低下に加えて、ストライキが続発したため、「(一時引き下げも)財政措置の選択肢の一つだ」と述べて人気回復を狙ったようだ。付加価値税率はEUが原則一五%以上と決めており、すべての加盟国が財務相理事会などで同意しなければ変更できない。

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