イラクに眠る「危険な宝の山」。各国が“最後の巨大石油権益”の分捕り合戦にしのぎを削るなか、日本の現実的な選択肢とは――。「イラクは日本への安定的なエネルギー供給に不可欠のパートナーだ」 六月二十五日、イラクの首都バグダッドを訪れた甘利明経済産業相はそう強調した。数カ月前から準備してきた隠密行。マリキ首相などとの個別会談を重ねた甘利氏は、イラクを離れる直前にシャハリスタニ石油相と共同声明を発表した。石油・天然ガス技術者の育成や、最大三十五億ドルの円借款の継続、日本企業が進出するためのインフラ整備の協力――。日本が「全面的な復興支援」の見返りとして期待するのは、原油・天然ガスの確保だ。
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