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「傑作」へのリスペクトが生んだ「傑作」:大西巨人・のぞゑのぶひさ・岩田和博『神聖喜劇』

執筆者:高井浩章 2018年9月1日
エリア: 日本
大西巨人・のぞゑのぶひさ ・岩田和博『神聖喜劇』 幻冬舎/1512円

 「この門をくぐるものは一切の希望を捨てよ」。言わずと知れた、ダンテ・アリギエーリの『神曲』地獄篇の「地獄の門」に記された文句だ。大西巨人による戦後文学の金字塔『神聖喜劇』のタイトルは、『神曲』の原題『La Divina Commedia』の直訳から取られている。同作を、のぞゑのぶひさと岩田和博が10年かけてマンガ化したのが、同題の『神聖喜劇』(全6巻、幻冬舎)だ。

 第1巻の巻末で大西は、マンガ化を打診された際に「無謀な企てをする無謀な人たちだなぁ」と疑念と危惧を抱いたというエピソードを披露している。そして「完全漫画化」と銘打たれたマンガ版に、大西は原作者としてではなく、著者の1人として名を連ねている。この一事だけでも、このマンガ版の完成度の高さが知れる。

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執筆者プロフィール
高井浩章 1972年生まれ。経済記者・デスクとして20年超の経験があり、金融市場や国際ニュースなどお堅い分野が専門だが、実は自宅の本棚14本の約半分をマンガが占める。インプレス・ミシマ社の共同レーベル「しごとのわ」から出した経済青春小説『おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密』がヒット中。 noteの連載はこちら→https://note.mu/hirotakai ツイッターアカウントはこちら→https://twitter.com/hiro_takai
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池内恵の中東通信

池内恵(いけうちさとし 東京大学教授)が、中東情勢とイスラーム教やその思想について日々少しずつ解説します。

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