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独選「大人の必読マンガ」案内 (26)

「死ねない者」の苦悩と願望:高橋留美子『人魚の森』

執筆者:高井浩章 2020年11月7日
カテゴリ: カルチャー
エリア: アジア

 再生医療などの発達でヒトの寿命が将来、150歳程度まで延びる可能性がささやかれる。一方でニュージーランドでは最近、国民投票で安楽死が合法化される方向となった。新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、「死」について考える機会が増えた人も多いのではないだろうか。

 今回はそんな文脈のなかで、高橋留美子の傑作『人魚の森』を取りあげたい。

テーマは不老不死

「不老不死」がテーマの『人魚の森』。シリーズは『人魚の森』『人魚の傷』『夜叉の瞳』の全3巻

 私ははじめ、この連作短編を『るーみっくわーるどスペシャル』(小学館)の全2巻版で読んだ。手元にある2003年刊の『人魚シリーズ』(同)は『人魚の森』『人魚の傷』『夜叉の瞳』の全3巻で、前バージョンで未収録だった「夜叉の瞳」と「最後の顔」が加わっている。この文章ではシリーズ全体を指して『人魚の森』と書く。

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執筆者プロフィール
高井浩章 1972年生まれ。経済記者・デスクとして20年超の経験があり、金融市場や国際ニュースなどお堅い分野が専門だが、実は自宅の本棚14本の約半分をマンガが占める。インプレス・ミシマ社の共同レーベル「しごとのわ」から出した経済青春小説『おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密』がヒット中。 noteの連載はこちら→https://note.mu/hirotakai ツイッターアカウントはこちら→https://twitter.com/hiro_takai
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