【新型肺炎「異聞」】「武漢」が辿ってきた数奇な運命

執筆者:樋泉克夫 2020年2月4日
エリア: アジア
武漢随一の名勝と名高い楼閣「黄鶴楼」側から見る現在の「武漢長江大橋」(「PhotoAC」より)
 

 武漢で発生した新型コロナウイルスの脅威は、着地点も見えないままに、拡大の一途だ。

 各種報道によれば、2月4日時点で、中国国内での感染者は2万人に迫り、死者は420人を超えたと中国保健当局が発表したという。死者数は、2003年に流行した「SARS」の被害を上回った。

 海外では、日本をはじめ、香港、台湾、タイ、カンボジア、フィリピン、マレーシアなどの周辺から、オーストラリア、アメリカ、遠くフィンランドまで26の国と地域にまで拡大している。このうちフィリピンでは1人、中国国外での初の死者も出た。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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