日本の安保理入りに光明? 多数決の話し合いが可能に

執筆者:Foresight 2009年4月号
タグ: 日本 イタリア
エリア: アジア

 国連総会が安全保障理事会の改革に関する政府間交渉を開始し、協議プロセスが前進した。だが、常任理事国入りを目標に掲げる日本を含む各国間の隔たりは大きく、具体案で合意できる見通しは立っていない。それでも日本の国連代表部は「画期的」と高く評価する。なぜか。 政府間交渉の特徴は、多数決による投票決着が可能なこと。常任理事国拡大に反対のイタリアなど少数派は、従来の作業部会では意思決定に全会一致が必要であることを盾に議論の遅延を図ってきたが、多数決となれば討議に応じざるを得ない。 ただその政府間交渉も、現状は各国が持論を展開する「ディベート大会」(外交筋)に終始。だが、国連当局者によれば、この事態を予期していたデスコト総会議長(ニカラグア)は、五月以降に「『これまでの議論を踏まえた』と称して決議案の要旨に近い文書を示す」シナリオを描いているという。そうなれば、日本国連代表部の思惑通りの展開だ。

カテゴリ: 軍事・防衛
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