元小学校でふいに落ち着きをなくした由奈。スマホの画面を使って知らされたその理由に、信也は驚愕する。
[承前]
信也は驚きを顔に出さないようにつとめ、由奈に言った。
「きんきゅう、だよ」
「やっぱり」
由奈はその画面を消去した。
信也は真智を見た。彼女も信也を真正面から見つめてくる。そういうことなの、とその目は言っていた。
信也は自分のスマホをポケットから取り出すと、由奈と同じように入力した。
「脱出。非常ベル。電源」
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