高麗連邦の保護を求めて、日の出桟橋近くまでやって来た三人。信也は高麗連邦軍の兵士から、真智母娘との関係を確認される。
[承前]
「違う」と信也は答えた。
もしここを突破できても、何度も同じ質問をされることになる。そのたびに虚偽を答えることはできなかった。いや、そもそも自分は真智や由奈と一緒に脱出船に乗るつもりなどなかった。ここで別れるべきなのだ。
イ上等兵が訊いた。
「あの女の子の祖父と伝えなかった?」
「母親が、わたしも助けようとして言った。血のつながりはない」
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