さらに苛烈化「新疆ウイグル弾圧」:中国ゼロコロナ最終局面で何が起きたか

執筆者:中澤穣 2022年12月28日
タグ: 中国 人権問題
エリア: アジア
11月25日、新疆ウイグル自治区・ウルムチ市のものとされる、ゼロコロナ抗議活動の様子(中国のSNS「微博」より)
葬儀を許されない故郷に代わり、在日ウイグル人コミュニティーは「ジェナーザ」(葬儀)を行う。その数が8月以降、急増している。都市封鎖の影響で食料供給が止まり、感染者収容施設で餓死が相次いだとの報道も。コロナ禍は、中国政府によるウイグル人の管理と弾圧に拍車をかけているようだ。

 3年近く続いた中国の「ゼロコロナ」政策がようやく終わった。この間、新疆ウイグル自治区での少数民族への管理や弾圧が、防疫対策を名目としてさらに厳しくなった恐れがある。しかし情報統制も強まり、同自治区の状況はいっそう見えにくくなった。

異常に増えた「ジェナーザ」

 中国当局の厳しい情報統制のため、在日ウイグル人であっても新疆ウイグル自治区の状況に関する情報は限られている。しかし彼らが今秋、郷里に残した家族らの安全や健康を案じたのには理由がある。郷里の家族らの死去に伴い、日本で葬儀を行う在日ウイグル人が急増したためだ。

カテゴリ: 社会 政治
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執筆者プロフィール
中澤穣(なかざわみのる) 1977年生まれ。東京新聞外報部デスク。早稲田大学政治経済学部卒、一橋大学言語社会研究科修了。東京新聞社会部(司法担当)や中国総局長などを経て現職。
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