「危ない資産」を、日本企業は何年分も積み上げてきた。この時限爆弾は決算期末のたびに企業を襲うだろう。 四月後半から、企業の二〇〇九年三月期決算が相次いで発表された。期の前半は比較的業績好調な企業が多かったが、昨年秋以降の世界的な景気崩落で、年間では軒並み厳しい決算となった。中でもかつてないほどの巨額の損失を計上する企業が多かったのが目を引いた。 もちろん本業の業績が悪いということもある。だが実は、過去から抱えてきた爆弾が炸裂したことも大きかったのだ。その爆弾とは何か。「繰り延べ税金資産」。馴染みが薄い会計の勘定項目で、しかも専門的なため、新聞などでは余り詳しく解説されない。だが、この繰り延べ税金資産の取り崩しを余儀なくされたために多額の費用が発生、赤字が膨らんだケースが多いのである。
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