前政権から「負の遺産」を継いだものの、オバマの登場で空気は一変。中南米諸国とまともな“近所付き合い”ができるようになるか。[ボゴタ発]四月十七日から十九日まで、カリブ海に面したトリニダード・トバゴで開かれた米州機構(OAS)首脳会議でのバラク・オバマ大統領の柔らかな物腰は、多くの賞賛を集めた。カナダのスティーブン・ハーパー首相はオバマが「対話の新時代」の幕を開けたと評し、コロンビアの有力紙『エル・ティエンポ』は「世界のリーダーとしてのアメリカのイメージを取り戻した」と書いた。 しかし、こうした讃辞は、アメリカと中南米諸国の間で、貿易自由化や地球温暖化対策、再生可能エネルギーの開発などで実効性のある成果が得られたからではない。せいぜい、これらの分野で何かを始めるための、「土壌」ができただけだ。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン