「オイルシティ」をめぐるチャベスと外資の駆け引き

執筆者:クリス・クラウル 2009年9月号
エリア: 中南米

世界屈指の石油埋蔵量を誇る“オリノコベルト”を、ちゃっかり外国資本に開発させようと目論むベネズエラだが……。[ソレダード発]もしもウゴ・チャベス大統領の目論見通りに事が運べば、ベネズエラの首都カラカスから南東に約四百キロ、オリノコ川沿いの小さな漁村ソレダードは、今後数年のうちに一大石油都市になるかもしれない。 ソレダードの八千人の住民は、国のプロジェクトに期待を寄せている。というのも、多くが漁師や露天商、地元パルプ工場の従業員として、わずかの稼ぎを頼りに生活するか、あるいは失業中という状態だからだ。二十三歳のミゲル・フェルナンデスはその典型で、半年前に警備会社を首になって以来、職がない。

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