本年5月、オルバーン・ヴィクトル首相が待ち焦がれていた中国・習近平国家主席のブダペスト訪問が実現した。この訪問で、近年着々と深められていた二国間の緊密な関係にさらなる弾みがつけられることになった。
オルバーン首相と習主席は会談後の共同記者発表で、両国がこれまで協力を拡大できたのは、イデオロギーに縛られることなく、相互尊重、平等、相互利益を基礎にしてきたからだと称え合った。習主席はハンガリーとの関係を「全天候型の包括的戦略パートナーシップ」へ格上げしたと発表。「全天候型」とは、国際情勢などいかなる時にも密接に協力し合うことを意味する。オルバーン首相も従来の単なる「パートナー」から一段進んだ特別な関係になると歓迎した。オルバーン首相は最近「ブロック化よりコネクティビティが必要」とよく強調しており、7月1日から半年間務める欧州連合(EU)の輪番制議長国としても、EUが中国と対立を深めるのは避けるように全力で動くと考えられる。
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