【Explainer】中国の「新たなレアアース輸出規制」の仕組みを具体的に解説

2025年10月13日
タグ: 中国 アメリカ
エリア: アジア
新たな規制の執行方法は、現時点では不明[レアアース鉱山の採掘現場に散水する作業員=2011年1月16日、中国・江西省南城県](C)REUTERS
中国は10月末に予定されるドナルド・トランプ米大統領と習近平国家主席の会談を前に、レアアースの輸出規制を一段と強化した。同国は世界の精製済みレアアース(希土類)とレアアース磁石の9割超を生産しており、これまでにも輸出規制を通じて出荷を絞り込んできた。米国への揺さぶりと見られるが、今回の規制は具体的には何をするのか。

[北京発/ロイター]17種類あるレアアース元素は、電気自動車から航空機エンジン、軍用レーダーに至るまで幅広い製品に不可欠な素材だ。

 新たな規制のポイントは以下の通り。

中国は何を発表したのか?

 中国はこれまでもレアアース輸出を厳格に管理していたが、10月9日に新たに5種類の元素を追加し、規制対象は合計で12種類となった。また、レアアースの採掘や精製に使われる多数の機器や材料の輸出も制限した。これらの工程では中国が世界をリードしている。

 輸出業者は許可証の申請を義務づけられる。4月から実施された前回の規制では、レアアース磁石が不足し自動車メーカーが世界各地で生産を一時停止する事態となった。同様の混乱を懸念する声に配慮し、中国は許可の審査を円滑に進めるとしているが、防衛関連の申請は拒否し、先端半導体や特定の人工知能(AI)関連の案件は厳格に審査するとしている。

海外メーカーへの影響は?

 中国政府は今回初めて、中国製の素材や機器を使って特定のレアアース製品を製造する外国企業にも規制を適用する方針を示した。これは

カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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