世界最大になると期待される中国の水処理市場で、世界最高レベルの技術を持つ日本の水処理膜メーカーに追い風が吹き始めた。 世界人口の五分の一を占める中国だが、降水などで得られる淡水は世界全体の〇・〇一七%の六千百立方キロメートル。一人当たりでは世界平均の三分の一程度しかなく、慢性的な水不足に陥っている。さらに近年の都市化や工業化で使用量が急増し、水質汚染も深刻化する中、水不足の解消と河川の汚染防止は喫緊の課題。中国は水資源が豊かな南方の水を、水不足に悩む北方に送る「南水北調」プロジェクトなどを進める一方、ここ十年間で約一兆元(約十三兆円)を投入、水資源の汚染対策に努めてきた。

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