経産省が策定を進める「産業構造ビジョン」。その裏にあるのは規制で業界を保護できた古き時代へのノスタルジーだ。 付け焼刃の「成長戦略」を示した民主党政権の尻馬に乗って、経済産業省が日本の産業構造の「大転換」を描こうとしている。もちろん「日本が何で食べていくか」を考えるのは重要だが、そんな大義名分の裏に、産業界に大号令を発したいという経産省のノスタルジーが潜む。何と、石油化学業界の生産調整で生き残りを図った一九八〇年代の産構法(特定産業構造改善臨時措置法)の復活を目論んでいるというのだから、時代錯誤も甚だしい。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン