「……気付くのは、二十世紀を性格づける要素の萌芽は、十九世紀の末にはことごとく地中に内在しており、決して歴史は脈絡なく突然に変わるものではないということである」(寺島実郎『一九〇〇年への旅』新潮社刊 一五〇〇円)
本書は、現在、アメリカ・太平洋篇を本誌に連載中の「一九〇〇年への旅」の欧州篇をまとめたものである。本書の根本的な意図は、サブタイトルの「あるいは、道に迷わば年輪を見よ」という言葉に集約されている。二十一世紀に差し掛かろうとしている今日こそ、いま一度二十世紀の歴史をきちんと見つめ直そうという姿勢である。

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