20世紀最後の年である今年も残すところあとわずかとなった。 閉塞感が増すばかりの政治、株価のさらなる下落への危惧、異様としか言いようがない犯罪の多発……。企業業績がいくら良くなったと言われても、個人レベルの収入は伸びず、日本人の多くが「大いなる不安」を抱えながら、21世紀の幕開けを迎えざるを得ない状況だ。第二次森改造内閣がスタートしたばかりだが、首相経験者を二人も含む重量級の閣僚ぞろいだとはいえ、これで安心できるとは誰も言えまい。 フォーサイトでは先に別冊『次の10年に何が起こるか』を世に送ったが、「失われた10年」と言われた90年代に続く「次の10年」の日本の未来は明るいのか、暗いのか。別冊のメッセージを敢えて一言で言えば、明るくも暗くもなる可能性があり、それは、われわれ日本人の改革への意志と実行力次第だということに尽きる。

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