七月二十九日投票予定の参院選に照準を合わせた衆参同日選挙は見送られる見通しとなった。自民党内には、八割を超える内閣支持率を背景に、小泉純一郎首相に六月二十九日の通常国会会期末の衆院解散断行を求める青木幹雄参院幹事長らの声もあったが、首相自身がこれまで否定し続けてきた通り、同日選を回避する意向を固めたとされるからだ。 最大の根拠は首相による「一票の格差」是正発言だ。首相は五月三十日の参院予算委員会で、各都道府県にまず一議席を割り振った上で三百小選挙区の定数を配分する現行方式を見直し、一票の格差を「二倍以内に抑えるべきだ」と答弁、その後、記者団に次期衆院選から実施するとの考えを明らかにした。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン