旧ソ連産の人工ダイヤの「品質」が急速に向上して、世界のダイヤ市場に混乱をもたらす恐れが出てきた。ダイヤの売り上げは独立国家共同体の地下経済に浸透するロシア・マフィアの資金源にもなっており、米国や欧州が強い関心と懸念を寄せている。 ウクライナをはじめとする旧ソ連諸国では、工業用ダイヤの設備を宝石加工用に更新し、質の落ちるダイヤにレーザーで極小の穴を空け、中の不純物を酸で溶かす技術を確立した。電子ビームで高級ダイヤ特有の青みを出すと、プロでも判別が難しくなるという。 ダイヤの最大の末端市場である米国では、ウクライナから生産設備を導入して本格的に生産に乗り出す企業も出現した。

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