一台のパソコンが盗まれたことで、防衛庁が密かに進めてきた「将来戦闘機の研究」が明らかになった。かつて次期支援戦闘機(旧FSX、現在はF2)の開発をめぐり、米国との間で政治問題化したこともあっただけに、将来戦闘機計画が具体化すれば、やっかいな問題として浮上するのは確実だ。 パソコンは昨年十一月、名古屋の三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所から盗まれ、同社が警察に被害届を提出した。パソコンには防衛庁が発注した将来戦闘機の設計に使う模擬装置(シミュレーター)の関連データが入っていたが、「防衛秘密」は入力されていなかった。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン