日朝交渉大使も蚊帳の外だった事前折衝

執筆者: 2002年10月号
エリア: アジア

 機密費問題など一連のスキャンダルに揺れ、幹部の首が次々とすげ替えられた外務省で、この一年半、日朝首脳会談に向けた北朝鮮との非公式折衝の経緯は、「極秘の引継事項」として、川島裕元次官、野上義二前次官、そして今年二月に就任した竹内行夫次官へと申し送りされてきた。 森政権時代の昨年一月にも北朝鮮が首脳会談開催を打診してきたことは、今では周知の通りだが、拉致被害者の第三国発見方式を口にするなど、森喜朗首相の言動の軽さを危ぶむ声が外務省内には強かった。ある外務省幹部は、「森さんでは何を言い出すか分からなくて危なっかしく、首脳会談は任せられないという空気があった」と打ち明ける。

カテゴリ: 軍事・防衛
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top