トニー・ブレアの道

執筆者:名越健郎 2003年2月号
エリア: ヨーロッパ

 社会民主主義でも自由主義でもない「第三の道」を掲げ、スマートな風貌や巧みな話術で飛ぶ鳥を落とす勢いだったトニー・ブレア英首相の評価が低落している。経済的な苦境で「第三の道」は「第三世界への道」(保守党幹部)と皮肉られた。パワフルな弁護士、シェリー夫人のマンション購入で不正があったとする疑惑も、大衆紙で連日報じられている。 イラク問題では、国内でも反戦論が強いのに、ブッシュ米大統領に常に同調するパフォーマンスが、国内や他の欧州首脳の不評を買い、欧州連合(EU)のはみ出し者扱いされ始めた。 ブッシュ大統領とブレア首相が首脳会談を行なったあと、共同記者会見に臨んだ。

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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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