一日も早いSARS制圧に追われていた五月下旬、胡錦濤総書記は中国共産党中央政治局会議を主宰し人材戦略の強化策を話し合った。会議で確認されたのは「人材強国戦略」、そして「党が人材を管理する」という基本方針である。人材戦略とは、党・行政、企業経営、社会の各分野で必要とされる専門人材の育成、適正配置、効果の最大化を制度的に行ない、育成した人材を党の管理下に置くことである。こうした戦略を打ち出した背景には、WTO加盟後のグローバル化の中で、「ヒト、モノ、カネ」のうちヒトの流出、人材不足が中国の持続的な成長を最も制約する要因として認識されていることがある。
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