中国では景気の先行きに強気な見方が充満している。四―六月のGDP(国内総生産)成長率は新型肺炎SARSの影響を受け前四半期の九・九%から六・七%へ急減速したが、一―六月では八・二%、一―九月も八%を超える成長が予想されている。上半期は消費こそ減速したものの、投資は三一・一%増と一九九四年以来の高い伸びを記録、工業生産、輸出も高水準で推移している。こうした状況から、「中国経済は新たな成長サイクル、拡張期に入った」といった論調も多く、「二〇〇八年の北京五輪、二〇一〇年の上海万博までは高成長が続く」という楽観論が大勢を占めている。高成長による一種の陶酔状態と言ってもよい。
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