景気の過熱が懸念されている中国だが、電力需給の逼迫が石炭需要、そして鉄道輸送量の増大をもたらしている。昨年来、鉄道貨物の需要は一日当たり貨車二十万台に達する一方、現実には九・五万台程度と需要の半分も満たしていない。電力生産は石炭輸送量次第というボトルネックが生じている。 石炭資源は山西、陝西、内蒙古などの内陸中西部に偏在し、需要は沿海地域に集中することから鉄道輸送への負荷は大きい。北京―上海、北京―武昌―広州、北京―南昌―深セン、北京―ハルピン、蘭州―西安―連雲港といった主要幹線に加え、大同―秦皇島、石家荘―太原、北京―太原など主な石炭輸送ルートは軒並みパンク状態で、繁忙路線を避けるための迂回輸送も常態化している。旧正月前後や大型連休には旅客輸送の圧力も加わり、鉄道輸送能力の整備は喫緊の課題となった。
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