支える者、なだめすかす者、敵愾心を燃やす者。人間模様が総裁選の行方を決める。 その夜、めったに不快な表情を見せることのない参議院自民党幹事長で橋本派の実力者でもある青木幹雄が、露骨に顔をしかめた。目の前にいる首相、小泉純一郎が青木の話を聞きながら船をこいだのである。父兄参観よろしく小泉に付き添っていた前首相の森喜朗と国会対策委員長の中川秀直が交互に小泉の膝を揺さぶる。「聞いてる、聞いてる」「純ちゃん、国会が終わってほっとしているのはわかるけど、居眠りは青木さんにあまりにも失礼だぞ」 黙っている青木の表情を気にしながら、森は小泉を諫めた。
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