八百八十億ドル(約九兆六千八百億円)に上る対民間債務の不払いを宣言したアルゼンチンが、反対に「貸し倒れ」の回収に苦慮している。キューバとの関係正常化を受けて近く再開する債務再編交渉を前に、キューバから大幅な減免を求められる見通しが強まっているためだ。 五月に発足したアルゼンチンのキルチネル左派政権は、二〇〇〇年の国連人権委員会でのキューバ非難決議への対応をめぐり悪化した二国間関係の改善に乗り出している。十月には約二年半ぶりに同国駐在大使を任命、一九七〇年代から停止しているキューバ債の返済再開に向け、再編交渉に入ることを決めた。

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