バングラデシュに残る列強たちの足跡

執筆者:浅井信雄 2004年6月号
エリア: アジア

 アジアで初のノーベル文学賞受賞者は、一九一三年の詩人ラビンドラナート・タゴールである。彼が活躍した英領インドのベンガル地方では政治、経済の他、十九世紀の「ベンガル・ルネッサンス」により文化、芸術もまた花開いた。『大地のうた』などのリアリズム映画もベンガルの土壌の産物である。 ガンジス川とブラマプトラ川が合流する広大な沖積地帯にあるバングラデシュは「ベンガル人の地」の意味だ。多数を占めるイスラム人口は、世界第三位にランクされる。ベンガル民族とイスラム教と氾濫に悩まされる農村が、国民の性格を決定づける三大要素である。

カテゴリ: カルチャー
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