公共事業など政府頼みの経済を体質改善したと主張する小泉政権。しかし実際には、一般には見えない形での財政支出が急拡大している。「景気回復が鮮明になってきた」と、有識者たちは言う。確かに物価のデフレ基調は和らぎ、日銀も二〇〇一年三月から続く量的緩和政策の解除を視野に入れ始めた。 金融政策の微妙な変化に債券市場は敏感で、長期金利は上昇基調を強めている。景気回復期待が高まれば、金利上昇は自然な反応だと言える。ただ、膨大な財政赤字を抱える日本経済には、これが致命傷ともなりかねない。景気回復も実は「見えない(ステルス)財政」に支えられている側面が強く、金融政策を引き締めると財政危機が表面化する恐れがある。
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