池内恵の中東通信
池内恵(いけうちさとし 東京大学教授)が、中東情勢とイスラーム教やその思想について日々少しずつ解説します。
イランのザリーフ外相が、イスラーム革命防衛隊による支配を批判するインタビューの録音がリークされ、話題になっている。"Iran’s Foreign Minister, in Leaked Tape, Says Revolutionary Guards Set Policies," The New York Times, April 25, 2021.ザリーフのインタビュー…
「中東通信」欄は元来は、ごく短い文章でその時々の中東情勢の断面・断片を切り取るアフォリズム(警句)のような、最近でいえばTwitterの呟きのようなものと考えて設立してもらった欄なのだが、書くとなるとつい力を入れて本格的になってしまう。暫くはなるべく簡略に。メモ…
例年4月24日は、世界各地のアルメニア人が、第一次世界大戦中の1915年以降に生じた「アルメニア人虐殺」を思い起こし世界に呼びかける記念日である。バイデン大統領は、今年のアルメニア人虐殺の記念日に寄せた声明で、米大統領として初めて公式にこれを「虐殺(genocide)」…
ありがたいことに、岩瀬昇さんが、私が企画し、今週を通して開催している「イスラエル・ウィーク@東大駒場リサーチキャンパス」のウェビナーを覗きにきてくださっており、しばしば専門的で本質的な質問も書き込んでくださる。大勢の登壇者たちがせめぎ合う壇上で、このような…
ROLESの設立という近況報告の後で早速だが、3月1日−5日に「イスラエル・ウィーク」と題して、イスラエルの最有力の研究者・実務家とオンラインで話し合う連続ウェビナーを開催します。今まさに東大先端研で、お隣の生産研も巻き込んで、鋭意準備中です。情報はこちらに集結さ…
この欄への寄稿がなかなかできないてきた。中東情勢はいよいよ興味深い展開を示しており、皆様に解説したい事象は目白押しである。しかしいい加減なことはかけない。『フォーサイト』への寄稿であればこそ、単にニュースを拾って直近の意味を解説するだけでなく、事象の背景・…
考えてみると、2020年12月17日は「アラブの春」からちょうど丸10年の、節目の日である。限界まで引き伸ばして待ってもらった締切りを2本、日本語と英語で放り込んで、一息ついてニュースを整理していて気づいた。「アラブの春」は、チュニジアとエジプトで相次いで政権が崩壊…
本日、この後7時30分から、WEB化10周年オンラインセミナー『2020年「石油価格戦争」その後とこれから』で、小泉悠さんと一緒に、岩瀬昇さんのお話を伺う(オンラインで)。その「予習」として、少なくとも私がこれまで岩瀬さんと公開の場で議論してきた記事については振り返っ…
トランプ大統領がノーベル賞候補に挙がっている、という報道がある。ホワイトハウスもそれを認めている。トランプ大統領がノーベル賞を受賞するか? という設問には「分からない」と答えるしかない。ノーベル賞の選考過程を知らないのであるから当然である。選挙と人事に加え…
8月13日にトランプ大統領によって発表され、9月15日にホワイトハウスで調印式が行われる予定の、イスラエル・UAE国交正常化合意だが、そもそもこの合意によって外交的には何が合意されるのだろうか。「中東和平」という単語は、しばしば「パレスチナ問題」とほぼ同一であるか…
イスラエルの外交・安全保障政策の最重要の課題は、イランであるということに、表向きはなっている。イスラエルの外交官も、専門家も、口を揃えて、イランの脅威について同じようなことを言う。しかし、イスラエルの専門家、特に国家の長期的な戦略を考える立場の人たちの発言…
イデオロギーや政治的・外交的党派の違いを超えて、認めなければならないのは、「2020年はイスラエル外交の年」と言えるということである。イスラエルの積み重ねて来た数多くの施策が、ここで一気に噛み合いつつある。それはイスラエルが深く食い込んだトランプ政権が再選の選…
2020年は「イスラエル外交の最高の時」となりそうだ。先月のUAEに続き、9月11日に、バーレーン(バハレーン)が、イスラエルとの国交正常化(normalization)に踏み切った。米トランプ大統領が、バーレーンのハマド・ビン・イーサー・アール=ハリーファ首長及びイスラエルの…
【編集部注:本稿は『WEB版フォーサイト』10周年記念特集『フォーサイトで辿る変遷10年(2)中東の激変とそれでも変わらない現実』のつづきです】月刊誌『フォーサイト』は休刊の際にその先20年間の世界情勢を展望していたが、現在はその半ばの「折り返し地点」に達したことに…
この欄の更新がまたも滞ってしまった。大型プロジェクトを請け負って、組織形成と立ち上げ初期イベントを公開・非公開で行い奔走していたのと、コロナ下で中東との往来も、中東の中での移動も大幅に制約され、中東情勢の展開が滞り、見えにくくなっていたことが大きな原因であ…
ここのところの目立ったスクープと言えば『ロイター』のこの記事だろう。“Special Report: Trump told Saudi: Cut oil supply or lose U.S. military support – sources,” Reuters, April 30, 2020.トランプ大統領は4月2日に、サウジのムハンマド皇太子(MBS)との電話会談…
しばらくこの欄での「つぶやき」に間が空いてしまった。4月は研究室で2つの大型予算を受け入れてプロジェクト組織を行政的に立ち上げる作業に専念していた。1つは石油会社との産学連携、もう一つは外務省の調査研究事業の受注であり、こういった産官学での組織的な取り組みの…
3月26日、イスラエルでベンヤミン・ネタニヤフ首相と、対抗馬で「青と白」選挙連合を率いるベニー・ガンツ元参謀総長が、新型コロナウイルス蔓延による危機を背景にした大連立での組閣に合意した模様だ。3月25日に両者は3月2日の議会(クネセット)総選挙投票以来2回目の電話…
全世界的に、外国人の入国拒否・自国民の旅行制限と帰国者の隔離、社会的隔離、都市封鎖が進む。グローバル化が急停止している。サウジアラビアなどペルシア湾岸の産油国も次々と国境を閉じた。最初はペルシア湾対岸で感染爆発が著しいイランとの国境を閉じたのを手始めに、メ…
不謹慎と言われるかもしれないが、イランでの新型コロナウイルスの爆発的な広がりは、イランのイスラーム革命体制の指導中枢の最も弱い部分、すなわちその「高齢化」を直撃しているのではないか、と推測せざるを得ない。革命は往々にして「若者」によって主導される。イラン革…
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン
- 24時間
- 1週間
- f
- 1 「なぜ植物に脳がないのか?」――進化生物学の大家を感嘆させた、AI起業家の見事な説明とは?
-
2
高市首相「ほぼ無傷で乗り切った訪米」の賞味期限
-
3
日本も購入を検討、トルコ「ドローン兵器」の性能と産業戦略
-
4
「ネアンデルタール人男性」と「現生人類女性」がよくある交雑パターンだった
-
5
[イラン戦争はどこまで続くか 2]「弾薬の残数レース」から「長期消耗戦」へ移行の兆し
-
6
まだ続く中国経済の「消費低迷」と「財政のアクセル不足」――全人代「政府活動報告」と予算案のキーポイント
-
7
最高人民会議代議員選挙を実施、1957年以来の「反対票」は0.07%(2026年3月15日~3月21日)
-
8
ホルムズ海峡封鎖で露呈、原油備蓄だけでは語れぬ「21世紀の油断」
-
9
Q.17 酒鬼薔薇聖斗は社会復帰しているか
-
10
月での長期滞在に向けて「月の土」でヒヨコマメを栽培
-
廃墟のヨーロッパ
¥2,860(税込) -
北方領土を知るための63章
¥2,640(税込) -
ウクライナ企業の死闘 (産経セレクト S 039)
¥1,210(税込) -
地政学理論で読む多極化する世界:トランプとBRICSの挑戦
¥1,870(税込) -
誰が日本を降伏させたか 原爆投下、ソ連参戦、そして聖断 (PHP新書)
¥1,100(税込) -
農業ビジネス
¥1,848(税込) -
古典に学ぶ現代世界 (日経プレミアシリーズ)
¥1,210(税込) -
ルペンと極右ポピュリズムの時代:〈ヤヌス〉の二つの顔
¥2,750(税込) -
ウンコノミクス (インターナショナル新書)
¥1,045(税込)