エジプトが学ぶべきトルコの経験――公正発展党(AKP)とムスリム同胞団

執筆者:山内昌之 2011年2月16日
エリア: ヨーロッパ 中東
ムスリム同胞団はAKPのような「現実感覚」をもてるか(エルドアン・トルコ首相)(c)AFP=時事
ムスリム同胞団はAKPのような「現実感覚」をもてるか(エルドアン・トルコ首相)(c)AFP=時事

 エジプトはじめアラブの国々の政情激変のなかで、その解決のモデルをトルコに求める動きが出ている。確かに、アラブだけでなく民主化を渇望するイスラム世界にとって、独特な世俗主義と議会制民主主義を成功させたトルコの歴史的経験は参考になるかもしれない。しかし、問題は2つに分けて考えねばならない。第1は、イスラム国家たるオスマン帝国の解体によるトルコ共和国の成立を正当化する世俗主義(ライクリッキ)の評価にかかわる問題である。第2は、イスラム主義から出発しながら政権を掌握した公正発展党(AKP)の議会制民主主義への適合問題である。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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