2006年10月初旬のこと。当時、南アフリカ共和国に住んでいた私は季節外れの休暇を取得し、東アフリカのケニアを家族で旅行していました。
ある日、ケニア南東部の湖のほとりにあるホテルに宿泊することになりました。午後6時半ごろ、ホテルに到着してみると、館内は真っ暗です。よく考えてみると、道中の幹線道路の街頭も全て消えていたのを思い出しました。一帯は停電でした。
チェックイン時にろうそくをもらい、部屋に荷物を置き、腹ぺこの私たちはホテル内のレストランへ直行しました。中には10組ほどの白人、黒人の客がおり、皆、ろうそくのほの明かりの下でにこやかに食前酒を楽しんでいました。アフリカ各地で停電ばかり体験している私から話を聞いていたせいか、妻と2人の子供も特段、暗闇を気にすることなく、早速ガツガツと食事を始めました。
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